どきどき…『ハイパーウエポン2011・神なる永遠の黄昏』銀河漂流

2011年06月30日

実写版

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(SPACE BATTLESIP ヤマト/監督・山崎貴/出演・木村拓哉)



 とあるレンタル&販売総合大手のお店ではレンタルもセルも好評の様で先行で販売されたアニメのアレに1位を持ってかれていますが2位の棚は動きが活発の様で
サンプルがカウンターに行ってる状況で飾られていなったりしています。レンタルはカラケースのみの
陳列状況が続いています…驚くのはいまだ『復活篇』のレンタルが好評である事です。
 (最新情報で発売初週、DVDが約5万6000枚、BD約2万5000枚を売り上げ、どちらの映画部門でも首位を獲得したそうです歴代最高記録を更新なのだそうだ)

 劇場公開後、ハリウッドも製作の話が来たらしいですけれど、個人的には「う~ん」で、細かい箇所違ってても、
この船がなぜこの形であるのかも理解できないんじゃ映像になる必要がないんじゃないかと思います。

 脳みそ空っぽの破壊願望のみみたいな異星人ロボットの戦いや
ゲームと同様にバカスカ ゾンビやっつける映画がヒットしたからって
著名な日本のアニメや漫画が海のむこうで実写化されたのがほどんど散々ですから
少しでも日本に還元出来てストレートな表現で国産で本物が出来ればというのが願いです…。

 まあ、ハリウッドだけでなくても母国でも正直こうゆう映像化は不得意だと思います。
そもそもやれる範囲も狭くて、映画の大半は人間ドラマにちょこっとCGがからむぐらい程度ですから
この作品の製作は映像になるまでに色々と苦労したと思います。

 気合があると感じたのは主役ヤマト、CGモデルも半端な製作ではなかったのが素晴らしいと思いました…
蓋をあければこのデザインもバンダイのどのモデルにも準じていない、庵野モデルでもなかった製作した人の情熱が感じられるし、
この船をわかっている上で実写として映像に耐えるアレンジが細かく作られています…
さぞや処理が重かったに違いないと思います。
波動砲の形状もインパクトや武器の位置からも考えたうえでの形状だというのもわかるし、
話の内容で武器を含め、見せきれなかった部分もかなりあるので残念なところでもありますが
昔、バンダイが出した1/350キットサイズでキット化されても(実際は実写版は全長256Mではない)それでも買うでしょうね…
(1/500だとエッチングパーツがうまく貼れる自信がないというのが答えでもあるんですが・笑)。

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ブラックタイガーとコスモゼロのデザインですが個人的には特に悪いという印象はないですし、
大きく変えても特性を生かした機体に設計されているからあれでいいと思います。
発進プロセスも釣り式の発進ですし、コスモゼロの変形もホバリングを利用した
敵の後ろに回り込むかつてのゼロ戦が得意とした戦法の進化系であると考えれば面白いです。
ちなみに『マクロス』も企画当初、可変戦闘機バルキリーは中間形態の『ガウォーク』までで
異星人と戦う話だったそうです。

 作品全体に感じることは 木村拓哉さんが主演することが作品の企画を実現させたというのが
やっぱり大きいと思います、映像とは別に俳優のおかげでスポンサーやさまざまな撮影場所の協力がつくと
いうのも非常に大事であると思う所があります。

 それ以上に作品のメイキング映像で1日1日の撮影の状況を見てみると俳優さんも大変な作業だと思うところがあります…。

 第1艦橋撮影から撮影スタート(2009・10/12)されており、ファーストカットがCGから艦橋につながるヤマト浮上シーンからの様で
 ここの時点で物語の進行上で撮影していくんじゃなくて、セットで撮影するカット順だとわかります。
撮影10/20日の9日目にはイスカンダル着いてますからねぇ~高島礼子さんなんかいきなり終盤の第一艦橋
で無言で艦長の死を伝える演技から入るんですから気持ちの切り替えとか大変そうです…(苦笑)。

 10/29から伊勢湾フェリー内での撮影、最終決戦の敬礼のあと 勝手な行動をとった古代を処罰するシーン
ですからここも役者の日程による撮影の順番のようで進行はバラバラ、

艦長さんは司令と供に岐阜の横山ダムへ11/5撮影、

再び東宝スタジオで11/10から食堂シーン、廊下、交信室、機関室、営倉、艦長室、ゆきかぜ艦内、ガミラス星、
研究室、司令室、内火艇、艦載機コクピットと書いた順に撮影して話の映像カットを埋めていったと作業だった様です…。
 文章で書くとどうにでもできるんじゃないかと思う人がいると思うんですが、死んだ人間が回想シーンの様に一つ手前の舞台の違う絵を撮る様なもので
カット前で自分がいかにどんな感情で演じていたかを把握して違和感なく演じるって難しい事だとおもうのです。
 さらにこの作品、全尺に何かしらブルーバックがセット内にあってそこもCGだったの?っていう部分が非常に多くその中での空想しつつ演技も必要であるというのが
メイキングを観て俳優さんに関心した部分であります。

 ちなみに木村拓哉さんは27日撮影最終日、29日からテレビ朝日の特番でで4日間トマト生活されております、ご苦労様です…笑。

 なので今回メイキング映像は断片的ですが目を凝らしてみると、面白いです。
人物の歩く部分も途中からCGモデルで差し替わって歩いてますね…
監督は人物撮影後、横のCGモニターが置いてある机に椅子ごと移動してCGとのすり合わせのチェックを
よくしていたといわれております。
 どこでもそうだと思うのですが製作スタイルが工夫の連続で無駄を極力減らすことが
映像のクオルティを底上げする時間を生まれていくのだというのが良くわかります…。





脚本について…

2時間の尺に収めるのは非常に難しい作品ですからアラはどうしても出てきます。
沖田艦、ゆきかぜの火星領域の戦闘についても何の戦い(抵抗)だったのかについて不明な部分がありますが
原作も同様ですからそうゆう演出まで補完できれば さらによかったのでしょうね…
コスモタイガー部隊がターゲティング行為して艦隊からの攻撃を待つという戦略説明が
優先だったのでしょうがない疑問でもあります。

 個人的には遊星爆弾の製造&本拠地が太陽系内にあって、ヤマトの初戦がこれの壊滅であれば良かったのではと思うところもあります…
たとえば沖田艦が高出力のショックカノン砲で敵ガミラス艦をひきつけ叩き、ゆきかぜは衛星上のガミラスの遊星爆弾の製造基地を数本ミサイルで叩くという作戦に失敗、
ゆきかぜが決死の思いで体当たりで製造基地を叩くものの、数日後再び遊星爆弾が降りそそぐ状況は
変わらないというシナリオだったらさらに悲壮感漂うタイトルコールでしたでしょうね…。

ほかにも考えたのですが

◆ シナリオ当初からアナライザーが自立モードを登場させたなら 話の中で波動砲を
ふさがれた際、外側からアナライザー&真田がヤマト船体部分から切り離し作業しながら戦闘し、
起死回生で収束率が悪いまま波動砲で敵を倒すとか、

◆ 敵の艦載機の捕獲後、異星人を倒す際に誤って壊してしまった整備室に置いてあったボンベのガスで敵が倒れ、それをきかっけに真田さんが敵の弱点を知り(たとえば、ガスをあてると装甲がもろくなる)
ミサイル攻撃の作戦がとれるようになるとか、 逃げてばっかりと思われがちな物語が少しはイメージが良くなると思います。

後半の方もアイデアがありますが妄想はこのくらいにしておいて、

個人的に良かったと思うのが冒頭の一気に加速させた始まり方や、ガミラスミサイル接近時に波動砲で
対処する過程でちゃんと別のニュアンスで古代がモタツクのが王道でよかったと思います。

なによりこの間で司令と艦長の会話のセリフが実写版オリジナルで非常に良かったのですんなり
アニメの沖田艦長とは違った味わいが楽しめてました。

イスカンダルの話もオリジナルを変えた『死亡説』に続く 別の表現としてあれはあれでいいと思います。
ヒロインが神々しいかどうかで映像に説得力を生むというのはこのほどよくわかりました。

やっぱり波動砲の使用のバランスとワープ回数の使用バランスがもうちょっと整ってれば良かったかなァというのが大きいですね。


 今回『宇宙戦艦ヤマト』の実写化としてVFXで再現したわけですが、それで次に『機動戦士』やらが実写化
GOか?っていうのではないと思います。

 数十年沈黙していた作品ながら 知名度やグッドデザインのキャラクターだからこそ企画して
成功したのではないかと思うのですがどうでしょうか?

n1239unnso at 15:41│Comments(0)TrackBack(0) 漢たちのヤマト  

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