超合金魂『宇宙戦艦ヤマト』明けましてオメデトウございます。

2010年12月30日

宇宙戦艦ヤマトのデザインを語る。

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実写版ヤマトのおなじみパース画です。
左右の進行方向が違うのはPixivで非常に左向きが多いからなんですけれどね…。
この実写版、どなたの方が製作したのかがはっきりと明記されていないため
イメージを何処に向けたのかが話として知る余地がないのですが、
たぶん第1作劇場版(通常)ポスターに載るヤマトが下地にあるのかなァ~?といった所で
艦橋の小さく描いてる特長とかに見られるですよね…。
主砲は戦艦大和のデザインをそのまま持ってきているので主砲は本来の大きさで、アニメで慣れた
方では「小さい?&細い」と思われますが本来はコレで合っています。

さて、ヤマトといえば細部は作品によっては違う部分はあれど ほぼ基本は変わりません
ファンの要望も多いですが、宇宙で戦うのに一部の方々ではなぜ武器が上部に集中しているのか?
宇宙に水平線は無いのに艦橋がそびえ立ってるのか?疑問があるのも数十年前のアニメとしての
問題が出てくるのはしょうがない話であります。

ですが、当時の製作状況や今でも残る問題等を知ればなぜ、あの宇宙戦艦のデザインであり続けるのか?
わかっていただけるのではないでしょうか…

(文章長いのですみません)

                                                               ◆


『宇宙戦艦ヤマト』のデザインは小惑星型から脈々とさまざまなデザイナーによってスタッフの意見を取りいれつつ、
立体化され修正を繰り返しながら形となったキャラクター性を成立させるという点で成功した産物である。

当初は『ヤマト』ではなく、初期企画書のままではヤマトがアニメーションする作品にはなっていない…。
TVアニメ企画書としてスポンサーやTV局に売り込みに言った際に指摘された部分を
クリアさせるために再度企画書を練り上げた事から始まる。

 当時のアニメは鉄腕アトムのアニメからその後、スポコン物が多くプロレス要素を取り入れたロボットアニメが人気であり、
 舞台設定は自分達の世界観より遠くなく、把握できる範囲を描くのがほとんどで、視聴者が普段の知識で認識できる
情報量を中心に描くスタイルは今の現在の漫画&アニメ&ドラマでも変わらない演出だし、
無難な企画の仕方であろうと思う

 それをいきなり話数ごとに舞台をかえ、外宇宙に向かい、キャラクター達も世代をまたいで子から子へ引き継いで
さまざま星を通過して旅をするアニメという話は当時でもぶっ飛んだ話で、
現在でも見たことが無い…。(しかも小惑星内部を掘りながら旅するのである…)

 手塚治虫氏の趣味として立ち上げ、手塚作品のTVアニメ化をはじめた虫プロから
分離したスタッフとはいえ、土俵を同じとしてアニメを作らない姿勢はこの頃からあったが、

やはりスポンサーやTV局側からキャラクターが薄いとの等の指摘がある以上、
手塚作品にあるキャラクターの魅力がスポンサーの商品の売り上げにつながるという実情、
しいてはTV局側にも恩恵があることによって円滑にこちら側の意図するアニメーション
(しかもオリジナル)の作品を軌道に載せるためにも2転3転と一部は妥協する部分はあるものの
企画を変更する必要があったし、向こうの意見ももっともである…。

ただ、あちら側の意見を丸呑みし、原作漫画をアニメ化するだけのアニメーションでは未来は無い、
現在でもオリジナルは不遇の立場は変わるこのなく、あいかわらず放映する側でも評価が低いのも
事実であるが越えなければアニメの存在意義がいつまでも実写映画に勝つことは出来ないだろう…。

良い返事がもらえなかったスタッフは再度企画の練り上げを開始する
まず、スポンサーやTV局側の意見から大きく変更したのは主役メカの変更で、
タイトル共々、主役メカを『宇宙戦艦をヤマト』にしたのは必然であろう…、
長門、三笠を名前につけるより、資料が手に入りにくいものの、戦艦大和という知名度は日本人に高い点。

さらに放射能によって赤く変化してしまった地球の滅亡のカウントダウンのインパクトから
一度沈没した戦艦の中から殻を破って宇宙戦艦として生まれ変わるという企画は
日本人の魂をゆさぶるには非常に高い魅力がある…。

しかしながら文章ではどのようにでも出来るが、大和=ヤマトである事を
すぐにTV局&スポンサーに認識できるデザインを生み出せるかが肝であり、
最も悩んだ部分であった所で…現にギリギリまでデザインを調整したため、清書の決定稿が
制作スタッフ全員に回らなかった問題もあった…。

「宇宙は海、宇宙船は船…」と言う西崎義展プロジューサーのヤマトのイメージや演出プランがあるが、

そういった企画の中で最終結論としてデザインが完成した際に導き出した答えの一部であろう。

SFと言っても緻密な設計よりも目に飛び込んできたデザインに魅力がないと評価が低く、
許容量を超えたデザインをすればこれはあのキャラクターと認知されなくなる恐れがあるのが
今でも変わらないスタイルである。

ヤマトのデザインはその点をクリアさせるために まず、船としての船底のデザインラインと
赤塗りのデザインを残してヤマトはどっちが上下なのかを認識させ、

一方後方はスクリューの代わりで宇宙船と認識するために大きく設置されたメインノズルと
その下部に2つの補助ノズルを加え、
前から見て大和の船体ラインを崩さない程度に設置された補助翼がカメラが後方に回ることで
適度に映えるようになっているデザインにしている

対照的に前方は『波動砲』という新兵器で大きく口を開けた艦首になったキャララクターの顔は
さらにその上に王冠のようなボリュームのある波除けがデザインを設置させる事でどちらが
前か後ろか「わからない」様にはさせていない。
説得力の中に潜む設定の立体化が戦艦大和の記号的なデザインの集合体ではおさまらない
一歩先を導いたデザインに進化するのは並大抵の事ではなかっただろう…。

 宇宙戦艦ヤマトのデザインはこれだけに留まらない…地球から飛立つという情報を記号で
もう一度認識させるために主翼を展開させたり、
最大級の主砲の凄みを見せるために一回り大きく描いたり、あくまで宇宙戦艦であるという
記号として『第3艦橋』を底に配置している細かい配慮が
スポンサー&放送局に「デザインはこれで行く!」という説得力を最大限で生んでいる。

結果、視聴者にも大和=ヤマトを1話~3話で素直に認識できるキャラクターに仕上がっており、
「これで宇宙に行くんだ」とあの時の少年&少女達は胸をわくわくしただろう…。



『大和=ヤマト』の図式はシナリオや音楽でも垣間見る事が出来る、
『宇宙戦艦ヤマト』として復活し、避けては通れない道であるし、ここで語るべき物語である
第1作では随所にちりばめられ、イスカンダル星への旅、16万8000光年という距離を行き来きする
『さらば~』はその後の物語だが『大和=ヤマト』の図式は消えてはいない。

今回はデザインの話なので多くの事を書かないが、
戦後の人々の想いが描いた作品が『第1作』と『さらば~』であって、
ひとまず一応の語るべき『大和=ヤマト』の言霊は終了していると思うが自分の感想である。

以降のシリーズが作品として評価できないとは言わないが、時代の流れで風潮で徐々に
『大和=ヤマト』の図式を薄めてしまった感はあると思うし、
イスカンダル星への旅があまりにも充実していたため、
同じメイン・ヤマトクルーではいささか変化のあるシナリオで出来にくかったと思う…。

期間をあけて去年から再度始動した『復活篇』『実写版』は『ヤマト=新ヤマト』の図式であり、
大和を語る重荷を背負う必要はないが、デザインでは
それぞれの大和像を増幅した姿として新ヤマトを成功させている事は
『さらば~』以降のシリーズより評価できる部分であると思う。

『復活篇』で敵のモニター越しに写るヤマトは『さらば~』で旧式扱いされたポディションから見た
『力強いヤマト』であり、『実写版』では赤い地球から上ってくる艦橋の横っ面をナメテいくシーンは変わることのない
ヤマトのデザインの美しさを再認識できたし、あれでなければいけない説得力がそこにある…。


『YAMATO2520』のシド・ミードのヤマトは正直不幸な作品である、「ヤマトより良く無くてよい」
と言われているみたいなものでガンダムより薄々になるまでデザインを
『ちょっと違う感覚で新ガンダム』と使いまわされたのと違って一般に評価の時間がかかる
デザインであるのは『大和=ヤマト』の図式から大幅にデザイン変更された時点で確かである。

 今頃の『大和をなんたるかと情報に入っていない』世代がアニメを見ているので素直に良さを
「わかっていただける」のではないかと思うが…
『復活篇』『実写版』が続き、このあと来年 日の目をみる『あれ』の再来のその後では
また難しいかもしれない。


ここまで長々と書いて読んでて ヤマトのデザイン必然性の意味がよけいに
もっとわからなくなったという人も出てくるだろうと思うが、
作品が『宇宙戦艦ヤマト』として題するのならば 現在のデザインのスタイルを
無理にとる必要は無いと思うし、ヤマトがそうするのではなく、
本来はその後の作品が今の世代がオリジナルアニメとして追い込んで演出すべき問題である…。

 ヤマトは第1作・さらば~の『大和=ヤマト』を好む方が多くいる以上、ヤマトは
大和のデザインをふくめ追求するべきであり、『ヤマト=新ヤマト』として評価される部分は
必ずあると思う…というのが個人の意見である。
『YAMATO2520』は『宇宙戦艦ヤマト』ではないからソコの所はずして見れば面白いから
機会があったら見てね♪…と言ったところです。

来年は確実に『大和=ヤマト』を再現してくる(すべき)タイトルで出てきます。
あの頃のイメージを求められるのがおそらくソレですので、来年も引き続き『ヤマト・イヤー』
との事ですので正式発表を心待ちしましょう。



n1239unnso at 08:52│Comments(2) 漢たちのヤマト  | 軍曹のつぶやき…

この記事へのコメント

1. Posted by 笠原有紀   2023年09月05日 08:14
4 領家政蔵
2. Posted by 宇宙戦艦ヤマト   2023年09月05日 08:14
5 宇宙戦艦ヤマト

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