新刊漫画情報『そして子連れ狼剣客の子』ちびちび…デュラッヘ製作中(笑)

2007年08月02日

映画『河童のクゥと夏休み』を観に梅田へ…。(8/4追記)

 行ってきました…九州南部に台風接近でこちら大阪で風が強くなっているいうのに・・・車で梅田のスカイタワービルで放映されている原恵一監督作品『河童のクゥと夏休み』を休暇で見てきました。この映画、近所じゃやってないので大阪で知っている映画館というとスカイタワーしかわからなかったので地図見てはじめて行きましたよ…落ち込み

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(初回に行きたかったなァ~と思うサイン入り上映中作品告知ポスター)



『河童のクゥと夏休み』オフィシャルサイト
>http://www.kappa-coo.com/main.html



 夏休みなので小さな子供連れの親子がけっこう多かったです…というわけでボリボリと駄菓子を食う音がしたり、ジュースの飲みすぎで途中トイレにドタバタ移動したり…落ち込み EDテロップが出てくると蜘蛛の子散らすように退場するし…あいかわらずマナーは悪いですね。

 作品のコメントをまず評価すると映像、音楽、ストーリーと満点に近いですね、もともと絵コンテ段階で3時間ほどあったそうで 最終の尺の2時間20分にエピソードを切ってまとめてますがその違和感がなく、本筋のストーリー以外にも複線が多く、未消化になっていないので作品としての完成度は非常に高いです。

 映像面では美術がすばらしく、最初から最後まで丁寧な美術を見る事が出来ました…。
 物語で岩手の『遠野』に行くのですが 田舎風景や夕日はためいきが出るほどリアルティと美しさが見事に描かれており、また全般にわたってCGで再現された水の描写は必見ですね…。(CG監督はつつみのりゆき 旧・堤規至さんで エスパー魔美やチンプイなどで元、アニメーターで作画監督だった氏がCGクリエーターに転進、『クゥ』のCGをてがけていたそうで…納得の映像です

 終盤、クゥたちが都会の風景を疾走するシーンがあるんですが 都会がこれほどまでに醜い風景だと思った事はないですね…。

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(5?6歳の子供さん程度の大きさの『クゥ』さんが映画館の入り口で休憩されておりました笑顔



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(原寸大?河童のクゥ(表記は大)と数量限定・来場者にコラボで『きゅーりのキュウーちゃん(サンプル非売品)』{笑顔} )どうせなら、CMにご飯にのせて食べるクゥのアニメーションやったらいいのに…


>これより映画本編の話・・・隠し気味で書いてますがネタバレあり


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◆物語の始め、江戸時代から話が始まります。

 当時もちろん街灯なんかないですから 映像も少し見えにくい夜のシーンになっていたのがニクイ演出でした。

 それから強烈な映像が その昔、ジブリのロゴがトトロイラストなっているのに喜んでいた子供が『もののけ姫』の冒頭でタタリ神でおののいて黙り込んでしまった様に沈黙を提供(苦笑)困った
 ここだけじゃなくても対象年齢が小学3~4年生からじゃないとわからない現代の問題がテーマがシナリオに多かったのでだいぶパニクッてたと思います。

◆主人公とクゥとの出会い

 映画の『ドラえもん』の のび太の様なツカミがあり、物語は現代へ…

 終止笑いが担当だったのが主人公の妹、彼女の動きが絶妙!『あるある』的な駄々子の動きが再現されていたりと◎、『アルプスの少女・ハイジ』のアニメで見せたヨーゼフ(犬)以上のショッキング映像で妹と河童のクゥは『犬猿の仲』がさらに悪化笑顔 もともと自分より年齢が低いと感じたのか『家族で可愛がられるポジションの剥奪』危機感から敵対するのもよくわかるし…泣いたり笑ったり、怒ったりとコロコロ表情が変わるのもこの歳ごろである。

 主人公の父親の声はココリコの田中直樹、母親は西田尚美、が担当しており、家族崩壊が無縁であるような『普通の家族』にピッタリな配役だったと思った部分が後の物語にちょっとかかわる事になる家族に対峙する演出に貢献していると思いました。

◆雨の真夜中にクゥを呼ぶ声・・・

 前半の終わりごろ、後半のラストの複線になるように アレが喋るという演出が進行、切実な思いを語る台詞と供に いつものアレらしい『喜び行動』クスクス感をさそうが、台詞の内容が重いので大人は素直に笑えない…これは原監督が昔かかわった『エスパー魔美』のエピソード『サマードック』に似た『人とアレ』の位置関係を語ったエピソードといえよう。
 後半にアレが▲▲▲しまうのに涙と人間に対し怒りを覚える複線になっています…。

 この作品のシナリオが良かったのはちゃんと先に描いた物語がちゃんともう一度複線として利用する話になっている点で、立ち止まって考えさせる物語となっているのが「大人の映画」らしい計算されている演出です。

◆現代の環境や仲間がいなくなった自分のふるさとの状況に傷心するクゥ…主人公とクゥは河童の仲間を探しにふるさとである今の地から岩手の遠野に旅に出ることに…

◆話はまだまだ つづきますが…このあとの展開は劇場で

 この作品は『感動』したと簡単に言えない色々と考えさせる傑作でありました…
 藤子F不二雄の作品『ドラえもん・のび太の恐竜』でピー助を過去の生まれた世界に戻した様に河童のクゥを父親の生きている世界にもどす様な力は主人公の家族にはありませんし、クゥを救いたいと手伝いたいとたずねる 真の友人と呼べる仲間も主人公に現れません。
 『世の中のほとんどは、いつも手遅れ。それを受け止めて、次は手遅れにならないようにしようと、生きていくしかない』という原監督のメッセージにそうように それでも主人公と家族は前向きにクゥの幸せを模索していきます…。
 それでも狂いが生じてしまうのは『人間の欲』のせいなのか?クゥにつらいおもいをさせてしまう 大人が(大人であるこそ)決して目をそらしてははいけない『現実』が心が痛みます…。
 やがて あの家族の『そのままの暮らし』を失う時がやってきた所で物語は終焉し、それぞれが何かを失っていきます・・・それでも前向きに生きようとするあの家族とクゥ姿がさわやかな気持ちで一杯になる頃 観た者になにかしら 生きる糧や失いかけている心を回復させてくれる そんな作品でした…。

at 14:59│Comments(0) おすすめ映像作品 

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